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研究成果

進行性多巣性白質脳症の核内ウイルス封入体形成機序(原由紀子)

進行性多巣性白質脳症の脳組織を病理組織学的に解析すると、皮髄境界近傍の皮質oligodendrogliaは小型の核を示していたが、白質の脱髄巣辺縁には腫大した核内にドット状の核内構造を有する細胞が多く認められた。病変が進行すると、核内にfull inclusionを有する細胞が散見された(上段)。免疫染色により、JCウイルスカプシド蛋白はドット状の核内構造に集積後、病変の進行に伴い核全体に瀰漫性に分布すると考えられた(中段)。二重染色によりドット状の核内構造がpromyelocytic nuclear body (PML核体)とよばれる核内ドメインであることが明らかになった(下段)。PML核体は、核内におけるウイルス複製の足場を提供すると考えられる。

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