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研究成果

新規PrPC分子種の存在の可能性(堀内基広)

正常型プリオン蛋白質(PrPCsup>)の機能は良くわかっていない。PrPCはGPI結合型膜蛋白質として、細胞膜上に発現する。PrP分子上の種々のエピトープを認識するモノクローナル抗体(mAb)パネルを用いて、PrPCを染色したところ、mAb110のように、細胞膜を中心に典型的な染色パターンを示す抗体の他に、mAb147のように、細胞内の特徴的な染色パターンを示す抗体が存在した。このPrPC分子種は神経成長因子(NGF)に応答性のラットクロム親和性細胞(PC12-1)には存在するが、NGF非応答性のラットクロム親和性細胞(PC12-5)には存在しなかった。また、mAb110で検出される典型的なPrPCは脳全体で検出されたが、mAb147で検出されるPrPC分子は延髄の局所でのみ検出された。この結果は、これまでには知られていない新規PrPC分子種の存在を示唆するものであり、PrPCの機能との関連に興味が持たれる。

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