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研究成果

オクタペプチド領域はプリオン蛋白の抗神経変性作用に必要でない(坂口 末廣)

正常プリオン蛋白(PrP)は、プリオン蛋白類似蛋白(PrPLP/Dpl)の神経変性作用と機能的に拮抗し、マウス小脳プルキンエ細胞が変性死を起こすのを抑制する(図1)。今回我々は、N末アミノ酸25-50またはオクタペプチドリピート(OR)領域の51-90を欠損するPrPを発現するトランスジェニックマウスを作製した結果、両者ともPrPLP/Dplの神経変性作用を阻害することを見出した(図2)。また、PrPの1-124とPrPLP/Dplとを融合させたfuPrP-PrPLP/DplもPrPLP/Dplの神経変性作用を阻害した(図2)。これらの結果は、PrPの神経保護作用にはORは必要でないことを明らかに示した。また、N末領域の91-124がPrPの神経保護作用には必要であることを示唆した。

図1

図2

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