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研究成果

カニクイザルを用いたSSPEモデル動物の開発(網 康至)


表1


表2


図3

麻疹ウイルス感染自己末梢血単核細胞を視床に接種したカニクイザル2頭について、脳内における麻疹ウイルスの持続感染について検討を行っている。そのうちの1頭(no.4565)においては、高力価の血清中麻疹ウイルス中和抗体、抗麻疹ウイルスIgM 抗体、脳脊髄液中の麻疹ウイルス中和抗体が持続して検出された(表1)。これらの結果は、SSPEの病態の一つと考えられている中枢神経内の麻疹ウイルス持続感染を示唆するものと考えられる。この個体は、感染後約160週においても、同様の状態を持続するとともに、脳脊髄液中のIgG indexに変化は認められないものの、IgG量は、増加傾向を示した(表2)。脳脊髄液中にoligoclonal IgG は検出されなかった(図3)。この個体は現在のところ症状を示していないが、これら臨床病理学的数値の推移と発症との関係についてさらに検討を行っている。

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