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研究成果

プリオン病患者に対するアミロイドPETイメージングの試み

東北大学医学部付属病院神経内科:志賀裕正
東北大学大学院医学系研究科プリオン蛋白分子解析分野:堂浦克美
東北大学先進医工学高度情報通信分野:工藤幸司


図1.孤発性CJDの[11C]BF-227取り込み所見


図2.GSS患者の[11C]BF-227取り込み所見

プリオン病の治療法を開発するためには、より早期に確定診断ができた患者を対象に治療法の検討をする必要があるが、プリオン病の生前確定診断法は脳生検以外に存在しないのが現状である。非侵襲的な診断法の開発が重要な問題である。
PET(Positron Emission Tomography: PET)検査用に開発されたアミロイドと特異的に結合するプローベBF-227を用いて、PET検査にてプリオン病患者脳内に蓄積したアミロイドを可視化することができればプリオン病の生前早期診断が可能になるのでは、と考え本研究を行った。
孤発性Creutzfeldt-Jakob病(CJD)患者、Gerstmann-Stra¨ussler-Scheinker症候群(GSS)患者各1名を対象にアミロイドイPETメージングを施行した。孤発性CJD患者では正常者と比較してアルツハイマー病患者(AD)と同様に大脳皮質で取り込みが増大していたが、視床、小脳でも増大していることがADと異なっていた。またGerstmann-Stra¨ussler-Scheinker症候群(GSS)患者では正常者よりも大脳皮質、小脳で取り込みが増大していたが、特に小脳での取り込み増大がADとの明らかな違いであった。アミロイドPETイメージングと拡散強調MRIを組み合わせることで生前早期診断が可能になると考えている。今後症例数を重ねて検討する必要がある。

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