ホーム > 研究報告 > 山田正仁

研究成果

研究成果

金沢大学大学院医学系研究科脳病態医学講座脳老化・神経病態学(神経内科学):山田正仁

全国を10の地域ブロックに担当のサーベイランス委員を配置し、全都道府県のCJD担当専門医の協力のもとに訪問調査を行っています。また、サーベイランス委員会が定期的に開催され、報告された個々の患者のプリオン病の診断(病型、診断の確実性、他)についての評価およびサーベイランスで明らかになった問題についての討議等を行っています。CJDサーベイランス委員会の構成と担当地域ブロック、最近のサーベイランスの結果を別図に示します。

CJDサーベイランス委員会を構成する16名のサーベイランス委員の所属と担当都道府県を示します

CJDサーベイランス委員会において2007年2月までに1095例の判定を行い、うち918例がプリオン病と判定されました。孤発性CJD716例(78.0%)、遺伝性プリオン病128例(14.0%)、感染性プリオン病72例(7.8%)、型不明のプリオン病2例(0.2%)であった。感染性プリオン病のうち1例(0.1%)が変異型CJDと診断されました。

1990年に英国滞在歴を有し、2001年に発症したわが国第一例目の変異型CJDを報告した(Lancet 2006)。本例は発症19ヶ月後の脳波検査でPSDガ出現して、変異型CJDではPSDがみられないとする従来のWHO診断基準(2001)は”脳波上のPSDは初期にはみられない*。*後期には出現する場合がある”という記載に改訂される見通しとなった。

硬膜移植後CJDには、孤発性CJD典型例と同様の臨床像、病理像を示す典型群(非プラーク型)と、比較的進行が緩徐でPSDが陰性か長期経過後に出現し、病理ではPrP陽性斑を認める非典型群(プラーク型)が存在する。サーベイランス委員会のデータでは、病理検索例の48%がプラーク型であった。プラーク型の臨床的特徴と臨床診断法について報告した(Neurology 2007)。

このページの先頭へ