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研究成果

ヒトプリオン蛋白質遺伝子多型モデルのプリオン感受性

動物衛生研究所 プリオン病研究センター:毛利 資郎

ヒトプリオン蛋白質は129番目のアミノ酸にメチオニン(M)とバリン(V)、219番目のアミノ酸にグルタミン酸(E)とリシン(K)の多型があり、CJDの臨床と病理に影響していることが報告されている。ヒトの多型モデルとしてヒトプリオン蛋白質遺伝子導入マウス(ノックインマウス)を作製した(図)。コドン129の多型モデルはメチオニン型ホモ(Ki-Hu129M/M)とヘミ(Ki-Hu129M/0)、バリン型ホモ(Ki-Hu129V/V)、メチオニンとバリンのヘテロマウス(Ki-Hu129M/V)である。コドン219の多型モデルとしてコドン129はメチオニン型を有し、コドン219がEをホモで有するマウス(Ki-Hu219E/E)、Kをホモに有するマウス(Ki-Hu219K/K)を、それらを交配し、EとKをヘテロにもつマウス(Ki-Hu219E/K)を、プリオン蛋白質遺伝子欠損マウスとの交配によりそれぞれをヘミにもつマウス(Ki-Hu219E/0、もしくはKi-Hu219K/0)を作製した。さまざまなヒトプリオン伝達試験の結果として、基本的にはノックインマウスは同じアミノ酸塩基をもつプリオン株に対し高感受性を有することが示された。また、それぞれの遺伝子がヘテロになると、異常型プリオン蛋白質への変換抑制が起こることを明らかにした。

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