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研究成果

プリオン病モデルマウスにおける重合プリオン蛋白形成の経時的解析

分担研究者:九州大学大学院医学研究院神経病理学分野・岩城徹

ゲル濾過サイズ分画による重合プリオン蛋白の検出法
市販の遠心カラムを用いて、簡便にサイズ分画を行うことができる。脳ホモジネートをゲル濾過して、分子サイズごとに分画する。ウェスタン・ブロットで検出するために硫酸ドデシルナトリウム(SDS)存在下で加熱し、重合分子も全て単量体に解離させてから電気泳動した。
分画1のほとんどがvoid volumeに相当し、分画2~4にオリゴマー状態のプリオン蛋白が抽出される。分画6~9のプリオン蛋白はモノマーで正常型であると考えられる。プリオン病モデルマウスの病末期ではオリゴマーに相当するプリオン蛋白分子が確認されたのに対して、正常コントロールでは分画2~4に抽出されるプリオン蛋白を認めなかった。さらに病初期のサンプルを用いた検討では、プロテアーゼ抵抗性プリオン蛋白の増加が明らかでないにもかかわらず、プリオン蛋白オリゴマーの出現が確認され、病初期にはプロテアーゼ感受性異常プリオン蛋白が病態形成に関与している可能性が示唆された。

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