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研究成果

SSPEにおける抑制性副刺激分子の遺伝子多型解析-PD-1とSSPEとの関連-

九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野・楠原浩一




Tリンパ球機能の抑制に関与している抑制性副刺激分子がSSPE発症に関連しているか明らかにするために、8遺伝子(CTLA4, PD1, BTLA, CD80, CD86, PDL1, PDL2, HVEM)の20の1塩基多型(SNP)を用いて患者対照研究を行った。その結果、日本人においてPD1遺伝子GCGCハプロタイプの頻度はSSPE患者群で有意に高かった(p=0.02)。また、フィリピン人においてもGCGハプロタイプの頻度がSSPE患者群で有意に高かった(p=0.01)。末梢血単核球でのPD1 mRNA発現をSSPE患者と健常対照で比較したところ、SSPE患者で有意に高かった(p<0.01)。以上の結果より、日本人とフィリピン人2つの集団でPD1遺伝子がSSPE発症に関連していることが示唆され、ハプロタイプによるPD1発現の違いがSSPE感受性に関連していると考えられた。

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