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研究成果

進行性多巣性白質脳症(PML)の診断・治療を目的としたJCウイルスの定量的検出系の確立および検査体制の整備

分担研究者:国立感染症研究所ウイルス第一部 倉根一郎
研究協力者:国立感染症研究所ウイルス第一部 中道一生、伊藤睦代、西條政幸

 進行性多巣性白質脳症(PML)は、JCウイルス(JCV)が脳内にて増殖することで引き起こされる致死的な脱髄疾患である。PMLの診断では髄液を用いたゲノムDNAのPCR検査が優先される。我々はJCVのDNAを迅速かつ定量的に検出するためのTaqManリアルタイムPCR検査系を確立した。また、インターネットによる直接依頼や国連規格容器による検体のシャトル輸送、検査室全体を紫外線照射するための装置等、利便性と安全性、信頼性を考慮した検査体制を整備した。定性的検査では、3種類のPCRプログラムを同一プラットホームにて起動し、JCV遺伝子配列(2種類)の有無および陽性DNAの汚染を調べる。定性的検査にて陽性を示した髄液については定量的検査を行い、髄液中のウイルスゲノム量を測定する。本検査系を基盤として、PMLの診断や治療におけるJCV検査の支援および国内のPML発生状況のサーベイランスを実施している。

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