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研究成果

プリオン病における3 Tesla MR spectroscopyの役割 グリア、ニューロンの<I>in vivo</I> 評価

湯浅龍彦1)、藤田浩司2)、原田雅史3)、佐々木真理4)
1)鎌ヶ谷総合病院千葉神経難病医療センター難病脳内科
2)徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部臨床神経科学分野
3)徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部画像情報医学分野
4)岩手医科大学先端医療研究センター超磁場MRI診断・病態研究部門

Creutzfeldt-Jakob病 (CJD) を含むプリオン病において、MRI及びMR spectroscopy (MRS) の診断的意義を検討した。対象は古典型の孤発性CJD (症例1) 及び急速進行型M232R CJD (症例2)。主要結果は3点。 (1)症例1では、経時的にNAAは低下、Cho/NAAは上昇し、ニューロン機能低下とグリア増加を示唆した。(2) CJDの初期変化はまず灰白質で始まり、後に白質に認めた。(3)症例2において、NAA、Choの変化が未だ見られない早期に既にmyo-Inositol、lactateの上昇を認め、病変初期にアストロサイト及びミクログリアの異変が示唆された。3 Tesla MRSは、CJDにおいて初期病態を捉えうる可能性を示した。今回の結果は極めて貴重な発見である。

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